自分だけが損をしている。周囲は皆自分のことを軽んじている、馬鹿にしている。
自分がうまくいかないのは周りが私の足を引っ張っているからだ。
被害妄想は恐ろしい。それは牢獄のように心をとらえ、動けなくする。
思考は堂々巡りとなり、正しい行動はできない。
バートランド・ラッセルは著書「ラッセル幸福論」の第8章「被害妄想」において、
被害妄想の適切な予防策を列挙している。曰く、
- あなたの動機は、必ずしもあなた自身で思っているほど利他的ではないことを忘れてはいけない
- あなた自身の美点を過大評価してはいけない
- あなたが自分自身に寄せているほど大きな興味を他の人も寄せてくれるものと期待してはならない
- たいていの人は、あなたを迫害してやろうと特に思うほどあなたのことを考えている、などと想像してはいけない
自分は他者から見ればそれほど重要な存在でも価値のある存在でもないと諦観?すれば、被害妄想が起こることもないのだろう。
もっともそう考えるのはとても寂しいことで、その諦観自体が別の問題を生み出しそうではある。