独立して10年以上経過している。なんとかかんとか生きていくだけの収入は得られ続けている。
それだけじゃない、数名のスタッフを雇い、一回も遅れることなく給与を払えている(当たり前だけれど)。
企業が補助金を申請するのを支援し、クライアントに数十億円を超えるメリットをもたらしてきた。
母親が地元のスーパーで会った小学校の担任から「あの子は大丈夫か」といまだに心配されてしまう私にしては上出来だろう。
何か革新的なサービスを発明して「世界を変える」といった大それた欲望はない。
ただただ、自分に関わった「善良な、気持ちのいい人たち」をなんとか、少しでも幸せにできればいいなとは思っている。
そのためにはお金が必要だ。お金で幸せそのものは買えないけれど、不幸を回避することはできるから。
「なんでそんなに働くの?」と言われる。ほどほどでいいじゃないかと。
人を雇わず、一定量以上の仕事は断り、自分ができる分だけやったほうが、手元に残るお金は多いんじゃないかと。
その通り。そして大半の同業者はそうしている。周囲を見渡しても、人を雇っている中小企業診断士はまれだ。
マハトマ・ガンジーはこういったそうだ。
「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。
そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、
世界によって自分が変えられないようにするためである。」“Almost anything you do will be insignificant, but you must do it.
We do these things not to change the world, but so that the world will not change us.”
私は無神論者だし、人生に意味があるとはこれっぽっちも思っていない。(意味があるかのように偽装して生きることが幸せへの道だとは思っているが)
それでも毎日こうやって活動し、社交的な性格でもないのに営業経験者と間違えられるほど社交的に振る舞い、一人で居るのが好きなくせにわざわざオフィスを作りスタッフを雇い共に働いているのは、世界、それが国家なのか思想なのか、それともコロナ禍なのかわからないが、それら外部の要因によって自分や周囲の人々の人生を左右されることを少しでも減らすためだと思っている。
一人で活動していたら、病気したらそれでおしまいですからね。それでは顧客との約束を果たせない。
こう話していたら「俺は病気しない」と強弁される方がおられた。無邪気で楽観的で、ある意味羨ましい。