自動車関係の部品を作っている会社の社長から聴いた話。
将来、自動運転が実用化されれば、交通事故の可能性はほぼゼロになる。
そうなれば、車のボディはいまの金属ではなく、プラスチックや布でできた
軟らかい素材になるかもしれない
この後、そういう未来も想定して自動車関連の製造業は今後どうすべきか・・のような議論になります。
その話ももちろん興味深かったのだけれど、私が一番気になったのは「前提が変わること」の影響について。
もし、自動運転が本当に実用化され人間による運転が100%無くなれば、車同士の事故や電柱や壁への衝突はほぼゼロになるでしょう。
これまでは「事故から乗員を守る」ために、高張力鋼板やら衝突安全ボディーやらが開発されてきました。
「事故」がなくなれば、前提条件が消失してしまい、車のボディーを金属で作る必要もなくなる。
#現実には、一般道には予期せぬ動きをする歩行者が存在するために事故がゼロになるのは難しいように思います。
#高速道なら可能でしょうが。
暗黙の前提条件を意識する
そしてこれは経営にも言えることです。
われわれは、暗黙の前提条件について普段考えていません。
お得意先から毎年**万円の発注がある、この業界の慣習はこう、会社とは、仕事とはこうあるべき・・・
それは、技術や文化の制約上、もしくはささいな偶然から、これまでそうだった、ということに過ぎません。
自動運転のような革新的な技術が現れた時に、前提条件がいきなり消失することがある。
それに気づかず過去のルールに囚われていると、新しいプレーヤーに市場をごっそり奪われてしまうかもしれない。
新しいものが必ずしもいいとは限りません。
しかし、新しいものに何ができて、何ができないのかがわからないのは、間違いなく悪です。
自分の知らないところで「暗黙の前提条件」が消失していないか、考えてみた方がいいでしょう。
もちろん、私の居るコンサル業界も同じです。私もいつも考えています。