前回の記事の続きです。議論の「途中」で何を押さえておくべきか?
根拠を提示させ、その適切さを確認する
何かの意見を言うのなら、なにがしかの根拠が必要になる。
根拠のない意見は、単なる思いつきであり、
思いつきをそのまま実行するのならそれはギャンブルだ。
意見には根拠を必ず添えること。
他の参加者は、意見の良し悪しだけでなく
その根拠の適切さについても同時に確認する必要がある。
他に根拠がないか、特に反例がないかを調べる
意見も良く、根拠もしっかりしている。
次に考えるのは、「他に根拠はないか」ということだ。
特に、反論になるような根拠がないかというところを調べる。
「日本人は勤勉だ、なぜなら**」という意見は、
怠惰な日本人を一人でも例として出すだけで
簡単に反論できてしまう。
白鳥は白いものだという常識が、
一匹の「黒い白鳥」が見つかったことで
否定されてしまったという実話もある。
人間はこの「反例を探す」という行為が苦手なので、
特に念入りに行う必要がある。
基準の妥当性を確かめる
たとえば新しいイベントを行うとする。
集客の目標に関して、広報部長が「50人」と言った。
他の部長もなんとはなく「広報部長が言っているし、そんなもんかな」と同意する。
これは妥当な数字だろうか?
過去の類似イベントとの比較や、
競合他社のイベントとの比較など、
50人という数字が妥当かどうかの検証は何らなされていない、
広報部長がどうやって50人という数字にたどり着いたのかも説明されていない。
また、50人集まればイベントの目的は達成されるのか?
そこからどれくらいの売上に繋がるのか?
そもそも集客人数というのは、イベントの成功を
判断する基準として妥当なのか?
基準の妥当性を議論し、より正確な測定ができるものを設定しよう。