経営学はフリーズドライ製品。お湯で戻すテクニックが問われる

歯車

経営学は役に立つ。机上の空論と批判する人は、きっと「使い方がわかっていない」だけだ。

経営学とは基本的に各種の事例を集めて帰納法で導き出した「回答例」だと思っている。
実際の経営はケースバイケースだろう。同じ条件の企業はないし、時間が立てば条件は容易に変わる。
成功企業と同じやりかた、同じ戦略を採っても失敗する会社は山ほどある。

しかし、「ケースバイケースである」といっていたら話ができない。
「価値観の違い」「人それぞれ」で議論を終わらせるようなものだ。

そこで、各々の事例からそのエッセンスを抜き出し、抽象化、一般化する作業が必要となる。
たとえるなら、フリーズドライ食品だ。

フリーズドライ加工された食品はそのままでは使えない。
お湯で戻さないといけない。

経営学が使えないと思われるのは、一般化、抽象化しているものをそのまま利用しようとしているからだ。

経営学の理論が自社の状況にそぐわないとしたら、別のを使う、また積極的に一部改変してもいい。
既製服が身体に合わないのなら、補正してもらうか、オーダーメイドで作るかだ。ムリに着なくてもいいだろう。

経営学に関してはわかりやすい本がたくさん出ている。しかしそれはあくまでフリーズドライ食品。
うまく活用するには、温度や水の量、時間などの「お湯の戻し方」が問われる。

情報が溢れる時代、中小企業診断士(経営コンサルタント)の意義はそこにあるのではないかと。

関連記事

  1. 「またやりましょう」と言っていただけるうれしさ

  2. 平成29年度税制改正に関する中小企業向けパンフレット

  3. 中小企業白書2018を読む(1)〜中小企業の一人あたり付加価値額

  4. 積小為大

  5. 売上は、減らせない。

  6. お前の代わりはいくらでもいる

最近の記事

  1. 2024.04.26

    世間の評価
  2. バックアップ、プランB

    2024.04.23

    雨が降っても
  3. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)