「ニーバーの祈り」という、有名な言葉があります。
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
企業経営においては、この言葉を胸に刻まなければなりません。
変えるべきことを変える
変えることができるものは、変える。
もちろん闇雲に変えればいいというわけではない。改革は大抵失敗するか、より悪くなるものです。
変えるべきことを変え、そうでないものは維持。
急激な改革ではなく、漸次の改善を。
そういう意味では、一番目の文言は、
「変えることのできるもののうち、変えるべきものを変え、変えるべきでないものは維持するための勇気をわれらに与えたまえ」
の方が適切かもしれません(冗長で美しくなくなりますね・・・)
変えられないなら、受け入れる
変えることができないものに関しては、悪あがきをせずに、受け入れる。
あきらめろという意味では無く、それを前提として「どうするか」を思考する。
たとえば、立地条件や現在の借入金残高、経営者の性格などは、不可能ではないにせよ変えることは困難でしょう。
変えられないことを変えようとする(この言葉自体が論理矛盾ですね)のは、時間とお金の無駄です。
そして、それを見極める
何よりも大事なのは、変えるべきこととそうでないものを見極めるための知恵です。
よく言われる「全ては自分の責任」という言葉は危険な思考停止につながります。
人間は神ではない。全てに責任を負おうとすれば、よほどタフでない限り精神を壊してしまうだけです。
#そして、こういった発言をし、従業員や後輩経営者を叱咤激励する経営者は自分が人一倍タフなことに気づいていないのです・・・
「何が経営者の責任で、何がそうでないか」を見極めましょう。ニーバーがそう祈ったように。
とはいえ、自分のこと、自分の会社のことというのは、なかなか客観的に見ることができない。
従業員も、事業全体を把握している訳ではないし、現業に追われて時間もない。
経営コンサルタント(中小企業診断士)は、そんな時に役に立ちます。