「メリットしかない」ということは世の中にはまれで、大抵は何らかのデメリットがついてくる。
何をしようとしても、それにより引き起こされる結果はいいことばかりじゃない。悪いことだってある。
本来、メリットとデメリットを比較して、メリットの方が上回る、また、デメリットが致命的なものではないことを判断したのち、デメリットも覚悟して何かを実行すべきなのだろう。確率も大事だ。交通事故になる確率はゼロではないので、死にたくなければ部屋から一歩も出てはいけない。しかしその僅かな確率を許容しても、有り余るメリットがあるので人は今日も高速で行き交う車の横を平然と歩く。
ところが、デメリットを過小評価したり、あまつさえ存在しないとして、何かを実行しようとする人たちも多い。
自分にはいいことも、誰かにとっては悪となる。
儲かっていて、社員が幸せな会社は、どこかの誰かの会社の売上を奪い、そこの社員を不幸にしているかもしれない。
短期的な対策は、長期的に取り返しのつかないダメージを生み出しているかもしれない。
すべてはトレードオフだ。「これくらいいいじゃないか」と気軽に始めたことですら、その裏には何らかのデメリットが隠れている。