福岡城(お城はもうなく、跡だけど)の桜を見に行った。カメラはOM-1。
早朝に出かけたので人も少なく、人の後頭部をあまり見ずに美しい桜を楽しむことができた。
後で妻に聞いたのだが、今が満開だそうだ。
今は事務所が近いから、散歩がてらにこうやって気軽に行くこの場所も、移転後は足が遠のくのだろう。
同じ市内だし、それほど遠いところではない。自宅から自転車なら15分で行ける。新事務所からだって同じくらいだ。
でも、距離というのは物事を遠ざけてしまう。たった3キロじゃないかと、定量的には大したことがないように思えるけれど、「気持ちの距離」というものは、実際の距離よりももっと離れてしまう。
大手門に事務所を構えたのは2014年頃だったから、もう9年の間、春にはこの桜を見てきた。
仕事の内容も変わった、構えているカメラも変わった、一緒に働く人も、お客様も変わった。
何より自分が変わってしまった。
来年はきっと、別の場所で桜を見ているのだろう。
毎年この時期は忙しくて気が滅入るが、桜を美しいと思えている間は、まだ自分の精神は大丈夫だと思える。