暗黙の信頼

「暗黙の信頼」で、社会は円滑に回っている。

私が寝ている間に、同居している私の家族は私の顔に枕を押し付けない。
(ちなみに、殺人は見知らぬ凶悪な人間ではなく、家族間が最も多いとか)
歩道を歩いていて暴走する車に轢かれることはない。
地下鉄の階段では後ろから他人は私を押すことはない。
駅のホームでいきなり突き飛ばされて線路に落ちることもない。
満員電車で刃物を持って暴れる人もいない。
エレベータは急に壊れたりしない。
会社の同僚は、いつもと同じ温和な性格で、急に性格が変わってキレたりはしない。クライアントも然り。
普通に生活している限り、誰かに病気をうつすことも、うつされることもない。

それぞれ確率は低いが、ゼロではない。
でも気にしていたら病気になりそうだ。だから、こんなことはないと仮定して生きている。
それはとても合理的だし、正しい方法だと思う。

もし上記のうち一つでも「暗黙の信頼」が崩れれば、世界は途端に不安で、生きづらくなってしまう。
他者やシステムを信用できない世界は地獄に他ならないだろう。

コロナ禍に置いてこの「暗黙の信頼」が失われている。
他人が感染しているかもしれないと常に疑え、マスクをしろ、ワクチンを打て、大声を出すな、他県に行くな・・・・
こんな地獄はないと思うのだが、人はどんな地獄にだっていずれ慣れてしまうのも事実で、少し慣れてきている自分が空恐ろしくなる。

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