物事のつながりを「見える化」するための手法として、
「システム思考」という分野における
道具の一つである「ループ図」を紹介する。
やることは単純で、
項目を矢印で繋げて、
物事の全体像を見通す一枚の「絵」を作るのだ。
例えば、「顧客満足」という項目と、
「従業員の負荷」という項目があったとしよう。
顧客満足度を上げようと思ったら、
従業員に勉強や残業を強いてしまい負荷があがるとする。
#あくまで「仮に」だ。他にも方法はいっぱいあるだろうが。
この場合は二つの項目を赤い矢印(プラス記号)で結ぶ。
逆に動く項目もある。
顧客満足度が上がれば、
クレーム数は一般的に下がるだろう。
この場合は二つの項目は青い矢印(マイナス記号)でつながる。
これが基本の考え方だ。それではループ図を作ってみよう。
顧客満足度を上げようとして、従業員の負荷まで上げてしまう。
図で見たように、
経営者が顧客満足度を高めようとするあまり、
営業時間を延長したりマンパワーに依存する
サービスを開始したりすれば、
従業員の負荷は上がっていくだろう。
従業員の負荷があがれば、
おそらく退職者は増加する。
いまは売り手市場なので、転職先には困らないだろう。
退職者の増加は何をもたらすか?
従業員が居着かない職場では、
スキルが蓄積していかない。
退職者が「増え」れば、従業員のスキルは「下がる」。
従業員のスキルが下がれば、
顧客満足度も「下がる」だろう。
こうやって、物事がどうつながっていくか、
図に落としていくのが「ループ図」だ。(つづく)