制約理論(TOC)を意識した仕事の効率化(2)

前回の続き。

集中の5段階

TOCのキーとなる考えを「集中の5段階」と呼ぶ。
これはシステムのボトルネックに注目し、これを継続的に改善していくための5つの手順であり、手順に従って改善をすすめていくことになる。

1) システムの制約条件「ボトルネック」を見つける

ずはシステム全体の流れを把握する。
業務フローや、業務手順書を確認したり、担当者に実際に作業の流れを確認するなどし、前述の例のような図を作成する。
例では単純な一直線のシステムであったが、実際には何本もの業務の流れが複雑に入り組んだシステムとなることもありうる。

Z社の業務フローを眺めると、最終作業(4)の処理量が8件/日となっているから、一日に8件の業務がこなせると考えがちだが、そうではない。
既に話したように、作業(3)の処理量である5件/日が全体の処理量を制約している。つまり作業(3)こそがシステム全体の「ボトルネック」だ。

2) ボトルネックを徹底活用する

このシステムの処理量を決定しているのは作業(3)だとわかった。
ならば、改善すべきはこの作業(3)の業務内容となる。

業務(1)、(2)、(4)をいくら改善したところで効果は乏しい。
仮に作業(4)の処理量を10件/日にしたとしても、全体の処理量は相変わらず5件/日だからだ。

なので、まずはボトルネックである作業③を徹底的に活用する。
作業(3)の無駄な業務を洗い出し、効率化していく。
手順を改める、不要な業務を削除するなどの改善を行う。
いきなり設備投資をしたり従業員を研修に行かせるなどといった
費用のかかることはこの段階では行わず、まずはボトルネックの「潜在能力」を限界まで引き出すことに注力する。

3) ボトルネックに全てを合わせる

次に、ボトルネック以外の作業をボトルネックの処理量に合わせて「減速」させる。
どうせ作業(3)で詰まるのだから、作業(1)や作業(2)で全力を出す必要はない。また、作業(4)も本気でやれば時間が余るだけだ。
作業(3)は手順2の「徹底活用」により処理量が1日5件から6件に上昇したとしよう。
であれば、他の作業は作業③の処理量にあわせて1日に6件でよい。
浮いた時間は成果物の精度を上げるとか、他の作業に充てるといった使い方をした方が全体として効率的だ。

(つづく)

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