ものづくり補助金追加情報(1)〜事務局公募要領より

先日、当ブログでも紹介したとおり、平成27年補正予算案の閣議決定に伴い、平成28年のものづくり補助金(H27年補正予算分で、H28年の実行。わかりにくいですね)の概要が公開されました。

2016年も継続!ものづくり補助金(H27年補正予算案より) | (株)フロウシンク 中小企業診断士 米倉博彦

予算が決まるのは年明け2016年1月の国会においてです。日経新聞の記事によれば、補正予算の成立はおおよそ1月中旬頃。

補正予算の成立を待っていては、事務処理が間に合わないのでしょう。ものづくり補助金の事務局を受託する団体の募集が始まりました。

中小企業庁:平成27年度補正予算「ものづくり・商業・サービス新展開支援事業」に係る事務局の募集を開始します

現行制度のものづくり補助金が始まった3年前から、福岡県の事務局は必ず「福岡県中小企業団体中央会」が受託しています。今年もおそらくそうなるのではないかと予想されます。

事務局の募集なんて関係ないよ・・・と考えてはいけません。募集要項を見てみると、いくつかのヒントが見つかりました。

順番に見ていきましょう。

経費一覧から「直接人件費」「雑役務費」(バイト代)が削除

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応募要領の「別表:事務局運営に関わる経費の区分」を見ます。
「事務費」は事務局が使う費用なので補助金に応募したい中小企業にか関係ありません。関係があるのは「事業費」の部分です。
「機械装置費」や「原材料費」といった見慣れた区分が並んでいますが、H27年まではあった「直接人件費」「雑役務費」がなくなっています。

H28年のものづくり補助金では、これまで使えていた従業員の人件費(本事業に係わる時給換算分)と、アルバイト・パート経費(雑役務費)は対象にならないようです。

補助対象者〜3,000万補助の新類型に「投資利益率」という概念が登場〜

投資利益率という概念が新たに登場

昨年までと同様、「革新的サービス・ものづくり開発支援」の類型(最大1,000万円補助、小規模型は500万円)に関して、条件が二つあります。

  1. 「中小企業サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3〜5年で「付加価値額」年率3%および「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画
  2. 特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善で、生産性を向上させる計画

2.の項目に関しては、製造業の一部に業種が限定されますので、「特定ものづくり基盤技術」に関連する会社のみが考慮すればいいでしょう。それ以外の業種に関しては、1.の項目を満たす計画を提出する必要があります。

これは、H27年のものづくり補助金でも同様の要件が求められていましたので、これまでと同じ対策で対応可能です。

問題は、今回新しくできた(2)サービス・ものづくり高度生産性向上支援 です。
さきほどの条件(1.2.のどちらか)を満たした上で、

IoT等を用いた設備投資を行い生産性を向上させ、「投資利益率」5%を達成する計画であること

とあります。
「投資利益率」の概念は、ものづくり補助金のここ3年の歴史のなかで初めて出てくるものです。
付加価値額や経常利益の要件と異なり、期間が明示されていない。
順当に考えれば、上記二要件と同じく、3〜5年でということだと「行間」を読めますが、なんとも言えません。

また、具体的な計算式がわからない(一般的な投資利益率の計算式でいいのかどうか)ことも気になります。

このあたりは、正式な公募要領が出れば明らかになることでしょう。

「小規模型」以外は、使える経費がかなり限定された

「小規模型」以外は、使える経費が限定された。

補助対象経費と補助率の表を見てみます。

ポイントは二つ。

  1. 「小規模型」の補助上限額が、H27年の700万から500万円に減額
  2. 「小規模型」以外は、対象経費がおおきく限定された

小規模型とは、50万円以上の設備投資を伴わない事業のことを指します。
H27年は「コンパクト型」と呼ばれていたものに相当すると予想されます。
今回は減額され、補助上限額が500万円、つまり、750万円使ったら500万円返ってくる、と制度が改定されたようです。

また、「小規模型」以外では利用経費がかなり限定されています。
具体的には、「機械装置費」「技術導入費」「運搬費」「専門家経費」の4つのみとなっています。1,000万〜3,000万の枠で申し込まれる方は、これまでのようにクラウド費用や知的財産関連経費、外注加工費等は使えません。

採択予定件数は約1万件

採択予定件数は約一万件

採択予定件数は、約1万件のようです。
H27年は13,134件採択されていました。予算消化率次第なので一概には言えませんが、少し厳しくなるのかもしれません。
予算規模は約1,000億円と、H27年(H26年補正)と同様となっています。

最後に

ミサラポや専門家のブログ、Facebookの投稿などで、予算案が閣議決定したということはいろんな方が知らせてくれます。
一昔前に比べて、補助金関係の情報もスムーズに流通するようになったなと感慨深いです。

今回は、事務局の応募要領といった一見関係のない情報からも、たくさんのヒントを考察してみました。
このあたりは、単に公的機関から情報をコピペするだけではない、専門家(中小企業診断士)の面目躍如!といったところではないでしょうか。(自画自賛)

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