10年以上も中小企業診断士をやっていると、倒産の現場に立ち会うこともある。
枯渇する現預金、給与や仕入代金の未払、声をかけてくる怪しい業者・・・・
社長が従業員に倒産を告げる、困惑し涙を流す社員。
怒る金融機関、淡々と処理を進める税理士。
倒産費用を捻出するために、最後の最後で取引先に迷惑をかけることもあった。
とはいえ、倒産が人生の終わりではない。
借金から開放され、社長たちは新たな人生を歩み始めている。
従業員たちも次の職場を見つけて楽しくやっている人も居ると聞いた。
戦後処理をするのは、あまり気持ちのいいものではない。
「もっと早く相談してもらえたら」と臍をかむこともよくある。
中小企業が継続して発展するために、中小企業診断士にできることはまだまだあるのだと思う。
私たちの手は短すぎて、必要なところに届いていないのかもしれない。