えらくなったんじゃない

とあるクライアントから数年ぶりに電話をいただいた。
久しぶりの仕事の依頼だったが、その内容はもう当社がやっていないメニューだった。
当時は一人だったのでなんとでもなったが、人が増え、コスト構造が激変した。
今の当社では、その仕事を受けると大赤字になってしまうような、そんな内容だった。

その旨丁重にクライアントに伝えた。理解はしていただいたと思う。
最後に、本当に軽い口調で、悪意なく、こう言われた。
「えらくなりましたね!」

・・・・・果たして私は、「えらく」なったのだろうか?

当時は誰にも給料を払っていなかったので、自分さえ食べていければそれでよく、無償に近い仕事も笑顔で受注していた。
今は違う、1時間あたりに稼がないといけない額は、当時の10倍でも足りない。
ステージは変わったのかもしれない。偉いとか偉くないではなく、単に舞台の場所が変わっただけ。

旧知のクライアントの支援ができないのは、少し残念ではある。でも仕方がない。
自分がその仕事を受けてしまえば、会社が回らなくなる。少なくともその回転は少し遅くなる。

クライアントの困り事は、私ではない他の、昔の私のような、
個人でやっている中小企業診断士の方が解決してくれることを願う。

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