地方移住が進んでいる?

コロナ禍で、都心から地方に移住する人が増えている、という記事を読んだ記憶がある。
データでもそれが裏付けられていた。去年か一昨年の話だ。
「まあ、そういうこともあるかもしれないけれど、全体の流れを変えるほどではないだろうな」くらいに思っていた。

しかし、よく考えると、データはあくまで「都心から出ていく人が増えた」ということを示しているだけで、
それが本当に移住を選択した人々だったのかどうかはわからない。

もう一つ、可能性がある。それは単に失業して実家に戻る若者たちだったというケースだ。
コロナ禍では飲食店や小売店が影響を受けた。若い労働者が多い業界だ。
バイトのシフトも入れることができなければ、家賃も払えない。
コロナ禍が落ち着くまで、家を引き払いひとまず実家に帰ろうとなるのも当然だろう。

もし後者が都会からの転出超過の主な理由なのだとすれば、彼らはコロナ禍が収まればまた仕事を求めて都心に戻ってくる。
地方移住が進んでいるというのは幻想だったのかもしれない。地方自治体や町おこしコンサル、すでに移住した人々など、「そうなってほしい」という方々の、願望と言った方がいいだろうか。

本当のところはわからない。データが足りない。データの「深さ」が足りない。
転出の理由を書いたアンケートでもあればまた違うのだろうけれど。
コロナ禍が収まれば、明らかになるだろう。
もしこれが真実で、間違ったデータの解釈に釣られて地方移住した人が居たとしたら辛い。
後ろを振り返ると、誰も居ないことに気づくのだから。

企業経営でもそうだが、データの解釈には幅があり、自分の希望が入り込むと間違った判断をしてしまうことがある。
気をつけなければならない。

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