「伝統」という言葉は、変わろうとしない人間が、言い訳にとてもよく使う
ーレッド・バーバー
伝統は大事にしなければならない。
長く続けられてきたことには
それなりに理由があるからだ。
フランス革命では伝統的な神を廃棄して理性を絶対とし、
理性の象徴である「最高存在」を人工的に作り祭典を行った。
もちろん上手くいかなかった。
いま、「最高存在」について語る人は居ない。
全ての伝統を廃棄しようとしても、
そこに生まれるのは混乱だけだと思う。
伝統は尊重すべきだ、しかし
ただし、全ての伝統が未来永劫に
守られるべきかと言われるとそれは違う。
特にビジネスにおいては。
企業のルールは時代に応じて変えた方が、
目的を達成するには好都合だし、
冒頭の引用にあるように、
単なる「変わろうとしない言い訳」に
伝統という言葉が使われる場合もある。
何かの理由があって「伝統」が生まれたわけで、
伝統を守ること自体が目的になってしまったのなら、
それは本末転倒だろう。
伝統と言われても考え続ける
経済学者であるJ.M.ケインズが、
論敵に過去の発言との一貫性のなさを問われた時の返答。
When my information changes, I alter my conclusions. What do you do, sir?
情報が変われば、結論を変えるさ。貴方は違うのかな?
J.M.ケインズ
守るべき伝統と、変えるべき「偽りの伝統」。
見分けるのは難しいけれど、
少なくとも「伝統」と言われて
「なら仕方ない」と思考停止する
のだけはやめた方がいい。