「当社では創業時からこうしている。伝統だから変える必要はない」そうだろうか?
伝統に訴える論証(Appeal to tradition)
時代は常に動いており、創業時に上手くいったやり方もいまでは間違いになっているかもしれない。また、そもそも過去にそのやり方は「正しいから」採用されたのだろうか?もしかしたらその場のノリで決まり、それがいつしか伝統になった可能性すらある。
過去から使われているのだから正しいという考え方は、伝統に訴える論証(Appeal to tradition)と呼ばれる。もちろん、少なくとも過去に上手くいったのだから正しい可能性は高いだろう。しかし、何も考えずに過去のやり方をひたすら踏襲し続け、時代に適応できずに没落した業界や企業は数えるほどあるだろう。
伝統とは、そのやり方ではなくやり方の背後にある「精神」や「価値観」のはずだ。
本当に「伝統を守る」のであれば、時代に合わせてやり方を変えていかなければならない。
新しさに訴える論証(Appeal to novelty)
逆に、新しいからすべてが良い、というわけでもない。こちらは新しさに訴える論証(Appeal to novelty)と呼ばれる。単に新しいだけでは、そのやり方を採用する根拠にはならない。
何かを判断するのに、「昔からやっているから」も「新しいから」も関係がなく、純粋にその行動の費用対効果から判断しなければならない。