孤独に耐えられるか

「(この中で)独立できそうな人は誰ですか?」

同業者で、まだ独立していない方達と話をしている中で、このような質問を受けた。

彼らとは10日ほど一緒に作業をしていたので、それぞれがどの程度の能力を持っているかはある程度想像がついた。
でも、それが独立するのに適した能力なのかは正直わからない。

そもそも、能力があれば独立してうまくいくというものではない。
運の要素も強いし、コンサル能力よりもむしろ営業力や人脈の方がものを言う場面の方が多い。
(営業力も人脈も持ち合わせていない私は、当初大変苦労した。幸いにして、運だけはよかったようだ)

独立後鳴かず飛ばずで消えていったたくさんの人たちを思うと、そこになんらかの法則性があったとは思えない。
でも、あえていうならば・・・・
私はこう答えた。

「孤独に耐えられるかどうかでは?」

独立とはその名の通り孤独に立つことだ。自分で決めなければいけない。
もう、無能な社長やダメな上司、社内システムのせいにすることはできない。
他部署の怠慢に責任を押し付けることもできない。
自分がうまくやらなければ、仕事が取れない。仕事が取れなければ、お金が入ってこない。お金が入ってこなければ、独立を維持できない。

孤独に耐えられない人が独立すると、その「自由」がいずれ辛くなる。何でも自分で決めることが面倒になる。
そして、同じような孤独に耐えられない経営者どうし、異業種交流会でつるみ、セミナーで出会った「先生」に師事し、擬似的な「社長や上司、同僚」関係を作る。
馴れ合っていれば楽しいけれど、そこから先はない。仲間から紹介してもらう仕事を回すだけでは、いずれ行き詰まってしまう。
うまくいかなければ、それは社会のせいだ。もしくは、「ずるく立ち回っている」誰かのせいだ。
そしてまた、交流会へ、セミナーへ、SNSへ、「優しい世界」へ、深く沈んでいく。

人間はみな本来的には孤独なのだけれど、独立してしまうとそのことを実感するシーンが多くなる。
孤独な状況を辛いと考える人は多いので、それを誤魔化すための色々な仕組みが世の中にはあり、普段その孤独は注意深く覆い隠されている。

そのベールが取り外され、現れた剥き出しの孤独に耐えられれば、独立してもうまくいく確率は高いのではと思う。

多分質問者からしたら「話をはぐらかされた」と感じたかもしれないけれど、少なくとも私からは「誰が成功するかはわからないが、孤独に耐えられない人はいずれうまく行かなくなる」というのが、現時点での誠実な回答となる。

「ポジティブな**さんが成功するよ!」なんて、気楽に言えればよかったのだけれど。
きっと彼は、聞く相手を間違えてしまったのだろう。申し訳ない。

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