2019もの補助 結果分析(5)〜 2次公募の採択率予測

前回の記事の続き

採択率を分解すると

採択率は、分子に予算金額÷平均申請額、分母に公募総数といった形に分解できます。

$$採択率 = \frac{(1)採択者数}{(4)公募総数}=\frac{(2)予算金額÷(3)平均申請額}{(4)公募総数}$$

予算金額

このうち、(2)の予算金額は非公開です。予算総額はわかります。2019年(H30年度補正)のもの補助であれば総額800億円です。
ただ、そのなかには事務局の運営費も含まれており、全額が中小企業に補助金として支給されるわけではありません。

平均申請額

(3)の平均申請額は、蓋を開けてみないとわかりません。現時点でできるのは過去の申請数からの予測くらいでしょうか。

では、平均申請額を予想してみましょう。

「ものづくり補助事業関連サイト」に、過去のものづくり補助金における採択者および補助金の交付決定金額が公開されています。

トップページ|ものづくり補助事業関連サイト
[blogcard url=”http://www.monodukuri-hojo.jp/adoption.aspx”]

最新のデータは、平成28年補正(2017年実施)となります。
昨年分はまだ公開されていません。

平成28年補正分は、補助金上限額が3,000万円の「第四次産業革命型」という申請累計がありましたので、上限1,000万円の今回(H30年補正)よりも一社あたりの平均支給額が上振れしています。
そこで、今回と同様上限が1,000万円であった、平成26年補正の交付決定金額データを利用します。
支給総額を採択者数で除した数字は、8,439,613円。

今回(H30年補正、2019年実施)も、同様に8,439千円程度の金額であると仮定します。

採択数

今回の一次募集は採択数は7,468者、公募総数は14,927者でした。

$$\frac{7,468(採択数)}{14,927(公募総数)} = 50.0\%$$

全体の採択率は50%です。

二次の採択率を予想する

では、上述の仮定をもとに二次の残予算や採択率を予想してみます。

まずは一次募集で消化した予算金額を予想します。
平均申請額が8,439千円であると仮定すると、

$$8,439千円(平均申請額) × 7,468(採択数)= 63,022,452千円$$

およそ630億円を一次採択者が使うことになります。

総予算800億円から630億円を引くと、170億円。
二次募集に割り当てられた予算は170億円弱と予想されます。
#実際には予算800億円には事務局の経費も含まれているので、残予算はさらに少ないと思われます。

公募総数はどうなるでしょうか?こればかりは、蓋を開けてみないとわかりません。
ただ、今年の1次の申請者は14,927者と、昨年の1次申請者16,949者と比較して12%減少しています。

#昨年の採択者は17,275者でしたが、(今年はない)複数企業の合同申請が含まれていました。
#採択「件」数でいえば17,112者でしたので、合同申請は全て2社での申請であると大まかに仮定し、
#17,275−17,112=163件が合同申請とします。合同申請は今回「高度連携」事業として
#別予算化されていますので、163件×2者分を控除して16,949者を比較対象としています。

昨年の二次募集では公募総数は6,355者だったようで、
今年の一次と同様に公募総数が88%に減るとすると、5,592者が今年の二次の公募総数と推測できます。

冒頭の計算式に当てはめてみましょう。(2)予算金額は170億円(17,000,000千円)、(3)平均申請額は8,439千円、(4)公募総数は5,592者とすると、

$$\frac{17,000,000千円 ÷ 8,439千円 = 2,014者}{5,592者} = 36.0\%$$

二次公募の採択率は36%と、昨年の39%よりも落ちるという予測結果となりました。
それでも過去7年の採択率と比較すれば平均的な採択率であり、チャレンジする価値はあると言えるでしょう。

仮定が間違っている懸念

ちなみに、この「平均申請額」の仮定には、現場で支援を行っているものの肌感覚としては疑念があります。
#自分で書いていてなんですが・・・・

詳しくはかけませんが、一次募集において当社に依頼が来た案件の平均申請金額は昨年より減少しています。
もしかしたら、全体の平均申請金額も今回比較対象として平成26年補正よりも減少している可能性があります。
#理由は製造業、特に半導体の不振による投資の減少・一時停止が考えられます。

もし上記の予想が正しければ、採択率は少し上昇するかもしれません。

もちろん、公募総数の予測がハズれて、予測よりも大幅に超過あるいは減少すれば、
採択率は容易に変化します。

また、この予想には事務局運営経費を考慮していませんので、
実際に残っている予算は仮定よりも少ない可能性があります。

採択率を気にする必要はない

仮定に仮定を積み重ねたものですので、信憑性は微妙ですがひとつの考え方として捉えてもらえればと。

「採択率はどれくらいでしょう?」とクライアントに聞かれることは多いです。ほぼ100%と言っていいでしょう。
しかし、当社としては採択率に拘泥するのはあまり意味がないと考えています。

前述のように公開されていない残予算と、予測できない応募者数に左右されるため、事前の正確な予測は不可能ですし、
何よりも、どれだけ採択率が高かろうが、結局の所は「自社が採択されるかどうか」が重要なのですから。

採択率を予測する時間があるなら、自社の事業計画と申請書の内容を作り込むことに割いた方が合理的です。

#この記事は、クライアントおよび潜在顧客の予測の手間を省き、申請書作成準備に専念してもらうために書きました。

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