強いもの、賢いものなら、たいていの変化にも対応できる

It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is most adaptable to change.
生き残る種とは、最も強いものではない。最も賢いものでもない。変化に最もよく適応したものである。

進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの名言、と、されているもの。
私は直接は知らないけれど、小泉元首相も引用したそうだ。

出典をまじめに調べてみると

昔から、この言葉の意味するところが不可解だった。

「最も」かどうかは置いておいて、強いものや賢いものの方が、変化に適応できるのでは?

強くないものや賢くないものが変化に「たまたま」適応できることはあるだろう。

しかし、変化に適応するためには目の前のことに追われる生活ではいけない。
そこには余裕が必要だ。時間や資金、人材といった余裕。
それを持てるのは、強いものや、賢いものなのではないか?

・・・そもそもダーウィンが本当にこのような発言をしたのか調べて見た。
下記サイトに彼の代表作「種の起源」の全文が載っている。

http://www.talkorigins.org/faqs/origin.html

章ごとにページがわかれているので面倒なものの、検索してみれば、「It is not the strongest・・」のような文字が存在しないことがわかる。(実際にやってみた)

しっかりと調査している人のサイトを発見した。興味ある方はこちらも。

強者でもなく賢者でもな――孫引きの連鎖

たくさんの企業、経営者がこの言葉を引用していることがわかる。

レオン C. メギンソンという人がダーウィンの主張を言い換えた言葉との説も。
しかし、冒頭の名言を引用した後に「レオン C. メギンソン」と書いても、「誰?」となってしまうだろう。

けっきょく、孫引き、ひ孫引きの結果、出典がわからなくなったということか。

強く、賢くあれ

悲しいかな、この名言は経営コンサルタントがよく引用する。
強くも賢くもない(と、自分で勘違いしている)中小企業の経営者を鼓舞するためだとは思うけれど、動機が正しいとは言え間違った情報を流すというのは良くない。

そもそも、種の存続の話と、企業経営の話がそのままイコールで繋がるというのもやや無理がある。
#企業を「突然変異」「進化」させる方法なんてあるのだろうか?私にできるのはせいぜい「改善」止まりだ。

経営者として、企業として生き残りたければ「強く」「賢く」あらなければならない。
最も強くなくてもいい。
最も賢くなくてもいい。
でも、強く賢くなるための努力を怠ってはならない。
そうしなければ、変化に気付けない。変化に適応することもできない。

ダーウィンが言ったかどうかもあやしい言葉に感化されて、「うちは強くも賢くもないけど、変化に対応して生き残るぞ!」なんて慰められ、安心してはいけない。経営者で有る限り、強く賢くなるための努力を続けなければならない。

諦めたら、別の企業に取って代わられるだけだ。

関連記事

  1. パズルを組み合わせる

    計画を立てないことは、失敗する計画を立てることだ

  2. 注目、子ども

    人を説得するには、統計よりもエピソード

  3. 福岡県商工会ニュース2018年1月号に寄稿しました

  4. 事業計画通りには進まない

  5. 日本マンパワー インタビュー転載

  6. 過去を見渡せる者は

最近の記事

カテゴリー

読書記録(ブクログ)