事務所の整理をしていたら、過去の名刺が出てきた。
独立した当初から屋号「フロウシンク」で活動し、法人化して「株式会社フロウシンク」になった。
途中、VIコンサルティングという会社の役員も務めていた。
自分の名前を冠した屋号はなんだか照れる、という消極的な理由から、
当時から好きだったM・チクセントミハイの「フロー理論」から拝借した「フロウシンク」という名前を作った。
自分でなにがしかの単語を創造することなんてそれまでなかったので、結構ノリノリで考えたのを憶えている。
米倉中小企業診断士事務所みたいな名前にすると、せっかくの創造の機会がなくなってしまうので、もったいないと思う。
#この辺りは個人の嗜好にもよるし、士業によっては名称に制約があるものもある。
ロゴマークも自分で考えて、いくつかの案を友人に提示して評判の良かったものにした。
名刺のデザインもVIコンサルティングのもの以外はすべて自分でやった。
自宅のインクジェットプリンタで印刷した。紙質は悪かったが、名刺を人に渡すときは何か誇らしかった。
ロゴマークは随時手を入れている。社名のフォントも当初はUDゴシックだったけど、いまはHoratioに替えた。
全体として、当初のものより洗練されたと自分ではそう自画自賛している。
一貫性を保つ
ひとつの名前を10年も使い続ければ、クライアントから憶えてもらえる。
法人化するときに社名を変えようとは思わなかった。
自分が気に入っているのもあるが、それよりも、一貫性が失われるのが嫌だった。
屋号をコロコロ変えるような会社を信用しろなんて無理な話だ。
だってその会社は、何か不都合なことがあればきっとまた屋号を簡単に変え、
何食わぬ顔で活動するだろうから。(まるでどこかの政党みたいだ)
雇用の面からも良かった
米倉**事務所とか、米倉コンサルティングとかいう社名にしていたら、
いまいる社員も当社で働いていてくれたかどうかわからない。
代表の名前を冠した事務所には、どうしてもワンマンな雰囲気がつきまとうし、
組織の体をなしていないと思われて忌避されたかもしれない。
#ホンダとかマッキンゼーも個人名だけど、あそこまでブランディングできている企業は別だろう。
何よりも、スタッフが電話を取る際に、「米倉事務所です!」みたいに
必ず自分の名前を呼ばれるなんて気恥ずかしい。
こんなこと、誰も気にしないのかもしれないけれど。