畑村洋太郎著「起業と倒産の失敗学」より。
失敗は隠れたがる
誰だって失敗はしたくない。失敗したとしても、それを直視したくはない。
放っておいたら、失敗は隠れる。失敗していないことにするか、失敗したけれど被害は軽微だと強弁するか。
社長が「自分は失敗しない」と思っている会社は要注意だ。
社長が失敗しないという前提で、何か失敗したとしたら?それは全て従業員の責任となる。
従業員は、失敗を責められるのを恐れ、失敗をなんとか隠そうとするだろう。
それは暗くじめじめしたところに隠され、誰かが発見したには、取り返しのつかない状態まで悪化していることだろう。
失敗を素直に表明できる社風を作るのは難しいと思う。でもやらなければいけない。
失敗の迅速な報告を奨励し、失敗した人を責めず、失敗が発生した環境なり仕組みを発見し改善する活動に集中する。
犯人捜しは誰も幸せにしない。
失敗が発生しにくい、発生したとしても被害が拡大しない仕組みができればよいのであって、
犯人を見つけて「自分が不注意でした、以後気をつけます」と言わせ、頭を下げさせることにいったい何の意味があるというのか?