4月14日の日本経済新聞に掲載されていた記事。
世界で住みやすい都市ランキング、5位に大阪。名古屋や東京、横浜はあるが、福岡は欄外だ。
以前から福岡は「住みやすい都市ランキングで上位に付けている」とアピールしていたし、私もどこか他県で行ったセミナーでそのことをアピールしたことがある。
はて、この数年で福岡は突然に住み難い都市になったのだろうか?福岡市に居住していて、そう思ったことはないが・・・
データの出所に注意
気になってちょっと調べたら、データの出所が違うだけだった。
従来から話題になっていたのは雑誌「モノクル」の住みやすい都市ランキング。
ビジネスや文化、恋愛などから総合的に検討した結果らしい。英国の雑誌なので、調査対象者も英語圏の人間なのではないだろうか(推測だが)。
2016年の調査で福岡市は7位だった。2017年の調査はまだ行われていないようだ。
一方、日経の記事は「アジア人にとっての住みやすい都市」ランキング。
人材会社が海外赴任者を対象に調査したものだ。
調査方法や調査対象者が違えば結果が異なる。当たり前の話だ。
新聞記事を漠然と流し読みしていたら「福岡のランキング落ちてるな〜」と間違った解釈をしてしまっただろう。
数字は嘘をつかない。だが、作成段階で嘘や悪意が入る
この情報であれば、誤った解釈をしても大きな被害はないと思う。
しかし、これが重要な経営方針を決めるデータであれば、その解釈の間違いは致命的な被害を引き起こすかもしれない。
数字は嘘をつかない、という。しかし、数字を作る段階で嘘や悪意を入れ込むことは容易にできる。
データを見ても鵜呑みにしてはいけない。その出所、調査対象や方法をきちんと確認しなければならない。