経営理念は必要か

経営理念は必要でしょうか?
以前このブログでも書きましたが、必ずしも必要ではないと思っています。

経営理念は事業に取り組むなかで自然に「見つかる」ものであり、
わざわざ創り出すものではない、というのが私の考え方です。

当社は現時点では「経営理念」と呼べるような言葉は見つかっていません。
いずれ見つかるでしょうが、仮に見つからないのであればそのままでもいいと思っています。

従業員の数が増えてきて、社長の目が行き届かなくなった時、
全員の視線を揃えるという意味では「経営理念」を創るべき、という意見もあります。
ただこれはあくまで次善の策であり、可能であれば経営理念を創らずとも従業員全員が自然に同じ方向を見ていることが理想です。
社風が浸透していれば、社長から幹部へ、幹部から管理職へ、管理職から従業員へ、会社が守るべき大事なことは自然に伝わっていきます。

「従業員が増えてきたので社長の思想が浸透しなくなった、経営理念を作らなければ!」というのは、
これまで社長の思想を幹部にきちんと伝えてこなかったツケが回ってきただけなのではないでしょうか。

以前、Fortune500(米国の優良企業)経営幹部56人にセミナーを行ったことがあります。
そこで参加者達に、それぞれの会社の理念、価値観といったクレドを書いてもらいました。
そして、休憩時間の間に、彼らの書いたカードをシャッフルして、テーブルの上にばらばらにそのカードを置きました。
参加者が休憩を終えて席に戻ると、
どのカードが誰のクレドなのかわからないほど、そのカードに書かれた文字は一致していたのです。

− 「奇跡の経営」リカルド・セムラー著 199p

どこかから持ってきた美辞麗句を無理矢理組みあわせ、
額縁に入れて事務所に飾ったところで、それに何の意味があるでしょう?

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