アリストテレスはこういった、と、ショーペンハウアーについて書かれた本で読んだ。
「幸福になるには肉体が健康な上に財産がなくてはならぬ。
賢人といえども財産がなくては不幸である」
まあ、使いきれないほどの財産を持つ必要はないのだろう。
日々の暮らしに不安にならない程度の財産。
前提として肉体が健康なこと、それは当然だ。
いくら財産を持ってても、不健康で外出もままならないとか、目が悪く本も読めないとかなら、まさに宝の持ち腐れだ。
お金を稼ぐために健康を損ねているとしたら、こんな悲しいことはないだろう。
(もっとも、人生のある時期に健康を損ねるほど無理をしなければ、凡人が成功を掴むのは難しいとも思う。一線を超えなければいいのだが、その見極めは非常に困難だ)
賢人ですら財産がなければ不幸だと、アリストテレスは言う。
お金のために意見を曲げる賢人(学者や政治家、経営者)は枚挙にいとまがないし、
どんなに清廉潔白な人も、お金に困れば、簡単にダークサイドに落ちてしまう。
(仕事柄、そんな人を何人も見てきた)
目の前のお金に目が眩まないだけの資産があれば、自分の主義主張を変えてまでそれを取りに行く必要もない。
健康でい続けるためにもお金は必要だ、少なくとも健康な状態を維持しやすいことには違いない。