数字は嘘をつかなくても、数字で嘘をつく者はいる

数字、数学、パズル

数字は美しい。数量化することで、様々な現象を比較・検証することが可能になる。
計算をすれば、誰もが同じ答えにたどり着く。
数字は嘘をつかない。嘘をつくのは、「数字を使う者」だ。

人々は自分の立場、目標、利益を支持する統計を提示する。
この傾向を表現した古い言葉がある。
「数字は嘘をつかなくても、数字で嘘をつく者はいる」
「統計はこうして嘘をつく」ジョエル・ベスト著

誰かを説得する際に、「それは単なるあなたの意見でしょ」と言われたくなければ、相手を納得させるだけの証拠を出さなければならない。
可能であれば、数字で示すのが一番だ。

説得される側が忘れてはならないのは、その数字はあくまで「相手、つまり説得する側の立場、目標、利益を支持するもの」であるということ。
自分の立場が悪くなる、目標を達成できない、利益が減る、そんな数字を出してくる人など居ない。

ちなみに、テクニックとして敢えて自分のマイナスをさらけだして信用を得る、という手法は存在する。
しかし、そこでさらけだすマイナスは、あくまで相手が許容できると説得する側が判断した、些細なものに限られる。
説得が不可能になるような致命的なマイナス点は、引き続き慎重に隠されたままだ。

社会問題を論じる人々が統計を選りわけ、自分の観点を裏付けるために統計を提示することを承知しておかなければならない。
銃規制論者は銃で殺される子どもの数を伝えるだろうし、銃規制に反対する人々は、銃で攻撃から身を守った市民の数を挙げるだろう。
どちらの数字も正しいかもしれないが、銃規制を論じる人々の大半は、自分の立場を支える統計しか提示しない。
ー前掲書

あなたがまさに説得されている最中だとしよう。
目の前の相手が提示している数字だけでなく、第三者やネットなどから「反証」となる数字を拾ってきて検証した方がよい。

幸いにも、検索サイトやSNSの普及で、反証となる数字を拾ってくるのはさほど難しくない。

目の前の相手は、自分が有利になるように選び抜かれた数字のみを提示しているのだから。

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