たった一手のミス

企業経営というのはなかなか過酷なもので、
それまでどんなに成功を収めていたとしても、
たった一手の、ささやかな判断のミスであっという間に状況が悪化することがある。

その一手を指した時は、誰もその正当性を疑わなかった。
リスクがゼロではなかっただろう、でも、許容できる範囲だと思われた。

舞台が暗転する。
拡大を続けた企業体が、「転進」「戦略的撤退」するのは難しい。
自分を信じて入社してくれた社員に解雇を言い渡すのも、
急に態度が変わった金融機関に頭を下げるのも、取引先に不義理をするのも、
成功の象徴であった一等地のオフィス、豪華な社長室、高級車を手放すのも、
身を切られるように辛いことだと思う。

だからと言って、何も手を打たずに縮こまっているわけにもいかない。
何がしかの一手を打つにせよ、その一手に強いこだわりは持たず、
いつでも軌道修正できるように、360度どこにでも動けるように、
そんな心づもりでいようと思う。

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