2021年補助金概要 (1)事業再構築補助金

いよいよです。
令和2年度第3次補正予算案が出揃ったようです。経済産業省のHPに掲載されています。
これらは年明けの国会で審議され、令和3年(2021年)の2〜3月ごろから順次開始される予定です。

令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要 (METI/経済産業省)
[blogcard url=”https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/hosei3.html”]

資料はこちらからダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei3_yosan_pr.pdf

今回から数回に分けて、中小企業が気に留めておくべき補助金について解説します。

事業再構築補助金

まずは19ページの事業再構築補助金。これは今回より新たに始まるもので、これまで新聞や政府の資料等で情報が小出しにされていたのですが、ようやく概要が明らかになりました。

予算規模はなんと1兆円を超えています。他の補助金がたいてい1−2千億円程度などと比較すると大規模であり、国(経産省)の力の入れようが分かります。

対象となる取り組み

資料の「事業目的・概要」箇所を確認します。
まず、対象となるのは以下の取り組みです。

新規事業分野への進出等の
「新分野展開」
「業態転換」
「事業・業種転換」
等の取り組み

また、こうもあります。

事業再編またはこれらの取り組みを通じた規模の拡大

「業態転換」だけでなく、新分野展開、つまり、既存の業態を維持したまま新規事業を始める行為も対象に含まれるように読めます。
これにより申請可能な企業の裾野が広がるでしょう。

中小企業が中堅企業に成長すること、
海外展開を強化すること

を重要と考え、後述する「特別枠」を設けるようです。

事業目的・概要には以下の記述もあります。

本事業では、中小企業等の認定支援機関や金融機関が共同で事業計画を策定し、両者が連携し一体となって取り組む事業再構築を支援します。

認定支援機関との連携が歌われています。
今年度からものづくり補助金の申請に認定支援機関の確認書が不要になったことから、この制度は今後縮小していくのだろうなと思っていましたが、そういう訳でもなさそうですね。(ちなみに当社は認定支援機関です)

成果目標

成果目標に関しては「ものづくり補助金」とほぼ同じで、3−5年で付加価値額年率平均3.0%の増加となっています。
少し異なるのは、「一人当たり付加価値額」の増加でも構わないということです。
つまり、付加価値額の絶対額は減少しても、従業員数が減っていて「一人当たり」の付加価値額が増えていれば構わないということで、つまり業態転換に伴い大幅な人員整理を行ったとしても(制度上は)問題ないということなのだろうと解釈しています。
このような記述はものづくり補助金にはありませんでした。

また、この成果目標の達成がどこまでシビアに確認されるのか、例えば未達成の企業に後日補助金の返金を要求することはあるのか、といったことは現段階では明らかになっていません。

補助対象要件

補助対象要件として「売上の減少要件」と「指針」への適合が必要なようです。

1)申請前の直近6ヶ月間のうち、売上高が低い3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。

まずは売上高減少の要件ですが、「申請前の直近6ヶ月」とあります。仮に申請が5月だとすれば、前年11月から今年4月までの半年間ということになります。
このうち売上が低い3ヶ月の数字を算出します。(文章に記載はないですが、おそらく連続した3ヶ月だと思われます)
その数字と、「コロナ以前」の同3ヶ月の売上高を比較して10%以上下がっていることが条件です。
「前年」ではなく」「コロナ以前」というのがポイントで、申請のタイミングによっては1年前だとコロナの影響がすでに出ている可能性があり、その場合は2年前と比較しろ、ということになるでしょう。

2)自社の強みや経営資源を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」にそった事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等。

ここに書かれた「事業再構築指針」なるものは2020年12月21日時点ではまだ公開されていないようです。
この指針に沿った事業計画の策定が必要ということですので、指針の内容によっては申請できない業種や事業内容もあるかもしれません。

補助金額・補助率

補助金の類型(枠)は4つあるようです。

一つ目は「通常枠」で、補助金額は100万円以上6,000万円以下。補助率は2/3となっています。
他の枠のように特段の縛りがないことから、通常枠で申請する企業がほとんどでしょう。

二つ目、「卒業枠」というのは、補助率はそのままですが補助金額が6,000万円超から1億円以下と増額されています。
また、400社限定となっています。
条件としては、計画期間内に下記の「どれか」の取り組みを行い、資本金または従業員を増やして中堅企業に脱皮する中小企業であること。

  1. 組織再編
  2. 新規設備投資
  3. グローバル展開

なお、中小企業の定義は以下のサイトで確認できます。

中小企業庁:「中小企業・小規模企業者の定義」
[blogcard url=”https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html”]

計画期間は3年、4年、5年のいずれかを任意で決定できるようですので、この間に資本金増額や従業員増により中小企業ではなくなることができそうな会社であれば、卒業枠を申請できます。現時点では中堅企業になれなかった場合のペナルティ(補助金返還など)があるかどうかはわかりません。

三つ目は「中堅企業(通常枠)」です。補助率が落ちて、1/2となります。しかも4,000万円超の部分は1/3とさらに補助率が落ちます。
補助金額は100万円以上8,000万円以下となります。
こちらは限定数はありません。これまでこの手の補助金は対象を中小企業に限定していましたが、中堅企業にも申請の扉を開いたという意味では画期的です。
なお、中堅企業の定義については現時点では明らかになっていません。

四つ目が「中堅企業(グローバルV字回復枠)」です。こちらは補助金額が8,000万円超から1億円以下、補助率は1/2の固定となっています。
100社限定で、下記の条件を「全て」満たす必要があるとのこと。

  1. 過去半年のうち3ヶ月の合計売上がコロナ以前の同月比と比較して15%以上減少している
  2. 事業期間中に付加価値額年率5.0%アップ
  3. グローバル展開をはたす事業

通常よりも厳しい数値目標が課されており、かつグローバル展開が条件となっています。
また、中堅企業という文言があることから、中小企業では申請できないのでしょう。

「お初」の補助金への対応

この補助金は来年初めて出るものであり、申請のノウハウは誰も持っていません。
しかし、当社が過去に蓄積したものづくり補助金やサプライチェーン補助金の申請支援に関する知見は応用可能だろうと思っています。
事業再構築補助金の申請に関して専門家の支援を必要とする方は、ぜひ当社にご相談ください。

2020/12/22 8:30追記:

事業再構築促進事業 【随時更新・補助金】  | 経済産業省 中小企業庁

事業再構築補助金

事業再構築補助金の対象経費が発表になりました。

建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等が補助対象経費に含まれます。

幅広いですね。建物費が入るのは大きいと思います。

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