私は自分のことを余り信用していない。
自分との約束はよく破るし、早合点から間違った判断をしたことも数え切れないほどある。
言葉の選択を誤り相手を傷つけてしまったこともあるし、
今振り返れば愚かな選択をしたと恥ずかしくなることも。
私は、先生然として自信たっぷりに振る舞うことはできない。
世のなかというのが思ったよりも偶然に支配されていると知っているし、
条件を限定せずに何かを断言するということがどれだけ愚かなことなのかもこれまでの経験からよくわかっているつもりだ。
経営コンサルタントというビジネスを考えれば、
断言した方が商売が上手くいくのだろうけれど、
そうするには本を読み過ぎた。
きっといつまでもできないのだろう。
自分を信用していない私は、常に「もしかしたら、自分が間違っているのでは」という気持ちで物事に接している。
その方が、間違いに気づいたらすぐに謝れるし、より正しい選択肢を選ぶことができると思っている。
逆に、「自分は絶対に間違わない」、と考える人には世界がどう見えるだろう?
何か失敗をしたとする。
自分は絶対に間違わない。
とすれば、失敗したのは誰かのせいだ。もしくは自分を理解してくれない社会のせいだとなる。
だって自分は絶対に間違わないのだから。
そういう人と仕事をすると不幸になるだけだ。