短い情報への最適化

「ニュースダイエット」という本がある。ニュースがいかに「毒」であるかを丸一冊かけて主張しており、なかなか説得力がある。私は人に本を勧めることはほとんどない(どんな本を好きになるかは個人差が大きすぎ、適切な推奨を行う自信が無い)のだが、この本だけは一度読んでおくことを強く推奨したい。

引用としては反則技ではあるが、「訳者あとがき」にこんな文章があった。

ニュースを消費するという行為は、短い情報に素早く目を通せるようになるように脳をトレーニングしているのと同じことなのだそうだ。ニュースを消費すればするほど短いものをざっと読むための脳の神経回路が発達し、本を読んだり深い思考をしたりするための回路は退化してしまうのだという。

なるほど。科学的な根拠がどこまであるのかはともかく、実感としては同意する。ニュースに限らず、X(Twitter)もそうだと思う。画面が小さく、必然的に情報が短くなりがちなスマホで見るものは全てがそうだと言えるかもしれない。

スマホばかり眺めている一日(ヤフーニュースとか動画とか日経とか)、本を読む気力が失われていることに気づく。深い思考もできなくなっているのかもしれない。回路が退化しているのだろう。一時的なものならいいが。せめて、再度回復できるものならいいが。

使わないものは退化するので、やはり脳を酷使するというか、哲学とかの難しい本を読んだ方がいいのだろう。生成AIに頼りきりにならず、深い思考をする訓練を積まないといけないのだろう。私はなんとかこの流れに抗ってみたいと考えている。スマホを見ずに、文庫本を開く、オールドスタイルの生活。

短い情報をただ「消費」するだけの人生だと割り切ってしまうのも一つの手だとは思う。そういう形の「幸福」もあることを否定する気は毛頭ない。

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