ハーバード・ビジネス・レビュー主催、入山章栄氏のワークショップで仕入れた知識シリーズ。
ダイバーシティの目的
まずは、ダイバーシティという言葉の定義。コトバンクより。
ダイバーシティとは、多様な人材を積極的に活用しようという考え方のこと。 もとは、社会的マイノリティの就業機会拡大を意図して使われることが多かったが、現在は性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性を高めようとするマネジメントについていう。 企業がダイバーシティを重視する背景には、有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応といったねらいがある。
最後の段落、「有能な人材の発掘、斬新なアイデアの喚起、社会の多様なニーズへの対応」といった目的のため、ダイバーシティは必要である、と。
なので、組織の中に多様な性別、人種、年齢、性格、学歴、価値観の人を配置すべきだと。
たしかにそうかもしれません。理想は。
しかし、現実は、特に中小企業は、そう簡単にはいかないのも事実です。
多様な人材を採用し、社内の環境を整え、適切に評価するための仕組みを作るには、大企業ですら時間とコストがかかるでしょう。経営資源に余裕のない中小企業にそれらを求めるのは酷というものです。
それらの準備なしに「ダイバーシティが重要だ!」と言って従来とは違う属性の従業員を雇用したところで、その従業員は環境になじめず、すぐに退職してしまうでしょう。
イントラパーソナル・ダイバーシティ
今回のワークショップで、「イントラパーソナル・ダイバーシティ」という言葉を初めて聞きました。
一人の従業員が多様な経験を持っていれば、それはダイバーシティと同じ効果を持つ、という考え方だそうです。
今居る従業員に多様な経験をさせる。これなら、中小企業にも比較的容易に実現可能です。
ダイバーシティを中小企業が実現するには、かなりの構造改革、荒療治が必要になると思います。いくら社会が要請しようとも、一朝一夕には難しい。(ゆるやかにそうなっていくのでしょうが)
イントラパーソナル・ダイバーシティに向けた取り組みならすぐにでも着手できます。
まずは、今働いている従業員が多様な経験を積めるよう、社内制度をリデザインしてみてはどうでしょうか?
仕事だけでなく、プライベートも含めて多様な経験を従業員にさせる。それは出張だったり異動だったり、もしかしたら長期の有給休暇を取らせる仕組みや海外旅行や様々なアクティビティの奨励だったり。
その経験が、従業員を有能な人材へと成長させます。
そして、あなたの会社を斬新なアイデアを生み、社会の多様なニーズに対応できる組織へと変えてくれるのです。
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