フールプルーフなコミュニケーションを

ディスコミュニケーション

他人は、あなたが思っているほどにはあなたが発したメッセージを理解していない。

フールプルーフという言葉がある。主にIT関係で使われる用語で、「利用者がきちんと理解せずにシステムを操作しても、致命的なトラブルが発生しないような仕組み」のことだ。

フールプルーフとは|foolproof - 意味 / 定義 / 解説 / 説明 : IT用語辞典

利用者を”fool”、つまり「愚か」だとする言葉には多少違和感もあるが、システムを設計する上で重要な概念である。

そして、フールプルーフの概念はコミュニケーションにも適用できる。
こちらはきちんと伝えたつもりでも、相手がそれを理解していなかった、酷いときには曲解され、自分の意図とは違う対応を取られてしまった・・・こういうことはままある。
「伝えた」からといって「伝わった」と言い切れないところが難しい。

フールプルーフなコミュニケーションを心掛ける意味は、こういったささいな誤解によるトラブルを防ぐことにある。
もちろん、相手に誤解されないようなコミュニケーションを取ることが大前提ではある。メール、電話、対面だけでなく、必要に応じて業務フローやチェックリスト、マニュアル等も整備して提供すべきだろう。
相手のレベルに合わせて情報提供のスタイルを自在に変更する柔軟性も求められる。

しかし、それでも誤解する人は居る。そしてその人は、自分が誤解していることを理解していない。
締切1日前になって誤解に気づいても遅い。

たとえば締切を本来のそれよりも早めに設定するだけで、フールプルーフが実現できる。(もし誤解されていたとしても、本当の締切までに回復できる)
また、誤解されてないかどうか、速い段階でチェックする仕組みも有効だろう。たとえば外注先に進捗状況を小まめに提出してもらうなどだ。

完璧な理解はあり得ない。認識のズレは必ず起きる。
ただ、認識のズレが業務に影響を及ぼさないほどに小さい状態に持っていくことは、テクニックで可能だ。

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