問題への対処法(1)頻度と重要性の確認

仕事をすることは、大小の様々な問題を解決していくことだ。
その順番を間違えたり、問題の大きさを過小または過大に評価してしまえば、より大きな問題を招いてしまうことになる。

問題とは何か

ここまで「問題」とざっくりとした言葉で説明してきたが、問題とは具体的に何だろうか?
いろいろな解釈があると思うが、ここでは「個人ないし組織が抱えている、解決した方がいい物事」と定義する。
逆に言えば、解決しなくてもいいことは問題ではない。

それは個性だとか特徴だとか呼ばれるのだろう。

「頻度」と「重要性」で分類する

問題は「頻度」と「重要性」の切り口から整理することができる。

問題の「頻度」とは、問題がどれくらいの時間・回数起きるのかということだ。
頻度が少ない、たとえば数十年に1回あるかないかであれば、対応マニュアルだけ作っておき、担当者にきちんと引き継ぐだけでよい。
しかし、頻度が多い、つまり数日に一回といったペースで発生する問題であれば、すぐに対処しなければ傷口が広がるばかりだ。

問題の「重要性」という切り口もある。
従業員個人の不満(たとえば備品のボールペンの書き味)から、会社全体に関わるもの(たとえば大口取引先を失うかどうかの瀬戸際)まで、問題の重要性は様々だ。

問題の重要性によって対処の方法も変わる。
小さければ無視してもよいだろうし、大きければすぐに対応しなければならないだろう。

1)頻度多×重要性大

1番のケースは、重要な問題が高い頻度で発生する場合。
たとえは悪いが、会社が破産の瀬戸際にある場合はこのような状態が続くことが多い。
この状態を放置していたら取り返しのつかないことになるので、その組織が持つ時間と人、お金を使えるだけ使って最優先で対処する。

2)頻度多×重要性小

2番のケースは、些細な問題が高い頻度で発生する場合だ。
ひとつひとつのインパクトは小さく、たいした問題ではないように見える。
しかし繰り返し発生しそのダメージは蓄積していくため、これを放置することは長期的にはより大きな問題を発生させることにつながる。
例えば従業員の不満の声をたいした問題ではないと経営陣が放置した結果、従業員同士で不満が増幅され、ある日突然の大量離職が発生する・・といった事態が考えられる。

小さな問題ということは、その解決策も簡単だということがほとんどだ。
重要性が小さく頻度が多い問題に関しては、まだ傷が浅いうちに対応することが望まれる。

3)頻度少×重要性大

3番は重要性が高いけれど、まれにしか発生しない問題の取り扱い方だ。
これは保険を考えるとわかりやすい。損害保険は、交通事故などのめったにおこらない事象に対して備えるものだ。
毎月の経費(保険料)はかかるが、まさかの時の金銭的なリスクを減らすことができる。

3番に属する問題には、万が一起きた時を想定したマニュアルを作っておくとよい。
めったに起きない災害を恐れて、毎日のように避難訓練をしていては仕事に支障がでてしまい本末転倒だ。
3番の問題に関しては、対処法を想定してマニュアルを作った後は忘れてしまった方がよい。

4)頻度少×重要性小

最後の4番は、頻度も少なく重要性も小さい問題だ。
これに対して予め備えておく必要はない。
めったに起きないことであるし、もし起きたとしてもそれほど大きなトラブルにならないからだ。
普段は放置しておき問題が起きてから対応した方が、全体の費用はかからないだろう。

新型コロナウィルスの危機はどう考えればよいか

こうやって分類してみるとすっきりするように見える。

では、現在の世界の状況、新型コロナウィルスが引き起こした危機はどうだろうか?
3番、つまり頻度は少なく、重要性が高い事象なのだろう、しかし事前に予測していた人は(すくなくとも、備えていた人は)ほとんどいなかった。

当社も企業の依頼を受けて事業継続力強化計画などBCPのマニュアルを作ることはあるが、感染症リスクを想定した企業にはお目にかかったことがない。

分類できるのは自分が把握している事象だけで、思いもつかないことは分類できない。
この手のロジカルシンキングの弱点でもある。

(つづく)

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