時間的前後関係の誤解

出来事Aが起きたその直後に出来事Bが起きた、だからAとBの間には因果関係があると考える。
しかしこれも必ずしも正しいとは言えない。

Aより前に出来事Cが起きていて、それがBを引き起こしたのかもしれない。
また、BはAともCと関係なく、偶然に発生したものかもしれない。

図1

人間は直近に発生した出来事がその後に発生した出来事の原因だと考える傾向があるそうだ。

経営戦略に置き換えれば

経営戦略においてもこのような「時間的前後関係の誤解」が見られる。

商品リニューアルの効果があり、会社の状況が改善したと思っていたが、実は施策をしてもしなくても円安のおかげで改善していた、リニューアルの効果はまったくなかったとか、まったく意識していなかった過去に行った別の施策(社内組織構造の見直し)の効果が今頃になって現れていたが、それを今回の施策の効果だと誤解していたとか。

現実社会では同一の条件で再実験することができない。また、似たような企業だから同じ施策が成功する、というわけでもない。

出来事Bの効果が巡り巡って出来事Aにも影響を及ぼして・・という風に、現実社会はシーケンシャル(一直線)ではなくむしろ相互に関連しあうループ構造を取ることが多い。(このあたりは、以前書いたシステム思考の考え方が役に立つ)

私が経営コンサルタントとして企業に入るときも、システム思考の考え方を重視している。

業種の専門的な知識なら、私よりも経営者や従業員の方が良く知っている。

企業を取り巻く複雑なループ構造を読み解き、効果的な解決策を提案すること。解決策を実行に移すための手法や知識に精通していること。それが業種に関係なくコンサルティングの仕事ができる私の強みだ。

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