効果の検証を

最初は明確な目的のもとに開始した行為が、いつの間にか変質してしまい、
ひどい場合は誰もその目的がわからないままただ続けられてしまう。

効果の検証は行われない。
「社長が、役員が、あの恩ある先輩が作った仕組みだから」
誰も異議を唱えることすらできない。

朝のミーティングを例にとって説明する。
朝のミーティング自体は、社員同士の結束力を高める、伝達事項の徹底など、有益なものではある。
社長や役員が朝のミーティングを始めようとしたのは、そういった高い志に基づいた善なる動機からだろう。

しかし、現実には、毎日やれば話すこともなくなる(このブログだって大変です)。
伝達事項もそう毎日あるものでもないし、早朝に散歩で見た花が綺麗だったとか謎の小話が溢れていく。
ミーティングの時間は本来別の仕事ができたはずの時間だと考えると、
何がしかの理由をつけて欠席し仕事をしたほうが合理的だと考える社員が出てくる。
例えば朝イチで顧客にアポを入れる回数が増えるだろう。
そうやって欠席する同僚を見ていれば、自分もそうしようと思う人が増えてくる。

本当はここで責任者が「朝のミーティングは必須なので欠席は認めない」と参加を徹底する一方、
なぜ一部の社員は欠席するのか?チャットツールで代替できないのか?と、そもそもの根本まで踏み込んで議論することができれば、問題は解決するだろう。
しかし実際には「欠席は少人数だし、顧客の要望なら仕方がないか」と放置してしまうことが多い。
するといずれ「参加は必須ではないのだ」と勘違いした社員が、理由を無理やり作ってでも欠席し始める。

一部の社員はそれら欠席する社員に不快感を抱きながらも、
「朝のミーティングを行う」ことそのものに固執し、自分たちだけでもルールを徹底しようとする。
ルールを律儀に守る自分たちは偉いのだと、そう思って。

そして、本来のミーティングの目的はすっかり忘れ去られて、
全員参加していないので伝達事項の場としても意味をなさない、
社員の結束力どころか分断を招くような、逆効果のミーティングがただひたすら続けられていく。

関連記事

  1. 万能のツールはない

  2. 植物の成長

    小規模事業者持続化補助金 採択発表

  3. シーシュポス

    ミッション・クリープ。「終わり」を人為的に定義せよ

  4. 事務所移転のお知らせ

  5. 紹介の連鎖

  6. 痛みへの耐性

最近の記事

  1. 本棚
  2. 2026.01.22

    オーバー
  3. 2026.01.16

    古書を読む
  4. 2026.01.14

    税負担化
  5. 2026.01.13

    全知全能
  6. 2026.01.09

    実社会の方が

読書記録(ブクログ)