週末に、倒産に関する2冊の本を読んだ。
以下のフレーズがとても心に刺さった。というか、経営者として見に染みた。
成功はいくつかの要因の組み合わせだが、
失敗は究極的には1つの判断ミスによるもの。
そのため成功事例は再現性が低いが、
失敗事例は再現性が高い。
言い換えれば「成功はアート、失敗はサイエンス」ー
私は経営コンサルタントで、仕事柄、さまざまな企業の成功事例を知っている。もちろん、失敗事例も。
成功事例をどこからか持ってきたとしても、それで成功するとは限らない。
場所が違う、人(社長も社員も)違う、資金量も異なる。そして、タイミングも違う。
誰か他の中小企業診断士が私と同じことをしたからといって、当社のコピーができるわけではない。
また、私が今から事業を始めたとしても、今と同じ規模にまでできるかはわからない(多分無理だろう)。
成功はアート(芸術)だ。「これさえすれば成功間違いなし」という「銀の弾丸」は存在しない。
一方、失敗の原因はある程度共通化できる。経営者の慢心、資金管理のまずさ、従業員や取引先の離反・・・・
失敗事例を分析すれば、同じような「落とし穴」に落ちるのを極力避けることができそうだ。
分析し体系化でき、教訓を活かせるのならば、それはサイエンス(科学)だ。
成功は約束できない。でも、失敗の可能性を減らすお手伝いはできる。
経営コンサルタントなんてその程度の存在でしかない。