借方・貸方の覚え方。誰のためのものか?を考える

貸借対照表

中小企業診断士の試験科目に「財務・会計」がある。
税理士や会計士の試験と比較すれば、ごくごく初歩的な内容ではあるのだが、受験当時ただのSEだった自分には辛い学習だったのを覚えている。

借方、貸方の覚え方

簿記の知識を勉強するときに壁にぶつかったのは、借方、貸方の覚え方。
参考書を眺めても、理由の説明はなかった。
借方は「り」で最後のハネが左方向を向いているので左側、「し」はハネが右側なので右と機械的に覚えろという受験テクニックは書かれていたものの、どうもしっくりこなかった。

貸借対照表(B/S)を見ても、売掛金や貸付金(つまり、お金を貸している)がある資産の部が「借方」で、買掛金は借入金(つまり、お金を借りている)がある負債の部が「貸方」と逆ではないか?
診断士試験自体は機械的に丸暗記することで乗り越えたけれど、このことはずっと疑問として残っていた。

疑問の氷解:視点が逆だった

この疑問はつい最近解消した。視点が逆だったのだ。
貸借対照表を作成するのは、投資家や金融機関に事業の現状を見せるための資料だ。
投資家、金融機関の視点で見れば、負債や純資産(資本)の部に出てくる数字は融資なり資本参加なりで「貸している」金額であり、
資産の部は企業が投資家・金融機関から「借りている」お金をどう運用しているかの図となる。

これまで経営者の視点から考えていたために、「逆じゃないのか?」という疑問がぬぐえなかった。
単純な話で、決算書の目的は?誰に見せるためのものかという視点から考えることで、やっと腑に落ちた。

もっとも、この解が本当かどうかは専門家に確認したわけではないので確信が持てないが・・・少なくとも、納得のいく覚え方を見つけたこれからは、借方・貸方を間違えることはもうないだろう。

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