「管理しない会社がうまくいくワケ」という本を読んだ。
そこに載っていたエピソード。
フォードの経営者、ムラーリーが
経営会議で担当部門の赤字を報告する取締役に
言った言葉だそうだ。
「君自身は赤じゃないよ」
ムラーリーはきっぱりと言った。
「君が取り組んでいる問題が赤なだけだ」
– アービンジャー・インスティテュート著「管理しない会社がうまくいくワケ」 116p
責任を個人に押し付けることは簡単だ。
悪いのはあいつだ(よって自分は悪くない)、と安心できる。
では、彼が抱えている問題は自分なら解決できるだろうか?
周囲のメンバーは協力してくれているか?
組織として、仕組みとしての支援はできているか?
彼が悪いのではなく、彼を有効活用できていない
経営者や組織、仕組みに問題があるのではないか?
悪いのは人ではなくシステムだ
筆者の考え方の基本となっている
「システム思考」のテーゼに、
「悪いのは人ではなくシステムだ」というのがある。
もちろん、全てがきれい事で済むわけでは
ないこともわかっている。
本人にやる気がなかったり、そもそもの適性が
なかったりということが確かにある。
しかし、たいていの問題はシステム(仕組み)を
変えることで解決できる。
#上記の例で言えば、やる気がない人や
#適性がない人を採用してしまうシステムに
#問題があるのだ。
人を責めるのは簡単だ。
でもそれで何かが解決するか?
責める側の気分がいくぶんかすっきりするだけではないか。
悪いのは問題やシステムであって、担当者ではないのだ。