売上がすべての問題を解決する。ただし上昇している間は

上昇するイメージ

グーグルの幹部であり後にヤフーのCEOに転じた
マリッサ・メイヤーは、グーグル時代に自室の入口に
「売上は全てを解決する」という標語を提示していたそうだ。
(書籍「ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法」 より)

売上が上がってさえいれば、
ほとんどの問題は解決可能か、
無視しても問題がない状態になる。

金融機関からの資金調達も簡単だし、
従業員のモチベーションも高い。
また、給与アップという形で従業員に報いることもできる。
企業の能力を高める十分な設備投資も可能だ。

「売上は全てを解決する」
たしかにその通りだ。

ただし、上昇している間は。

売上が停滞・下降すると、問題が表面化する

何かのきっかけで売上が停滞・下降を始めると、
全てが逆回転し始める。

金融機関は融資に難色を示し、
従業員は目標を達成できず、給与もカットされる。
退職する従業員も出るかもしれない。
モチベーションは下がる一方だ。
設備投資も十分に行えなくなる。

良いときに、悪いときを想定し備える

解決方法は、
調子の良いときに奢らず、
悪くなった時のことを想定して
投資を行うことだ。

それは新事業へのチャレンジだったり、
長く価値を生み出す適切な設備投資だったり、
従業員の価値を高める人材教育だったりするのだろう。

もっとも、口で言うのは簡単だが、これが難しい。
アリとキリギリスの童話を読み、「自分はアリだ」と言える
人がどれくらいいるだろうか?

売上が上昇している時は、社長は
「これが永遠に続く」と錯覚してしまうものだ。

これまでも、調子の良いときに選択を誤り
会社を潰した社長をたくさん見てきた。

彼らはみんな有能だったし、人間的魅力にも溢れていたけれど、
「悪くなることを想定し、備える」
タイミングを間違ってしまった、それだけだった。

前述の「ストレッチ」という本にはこうもある。

「現金が入ってくるホースがあれば『問題?構うもんか』みたいになる」

お金に余裕のある時こそ、
先を見据えた使い方を。

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