「良い」「早い」「安い」のトリレンマ

全てを選ぶのは難しい。

商品なりサービスなりの特徴として「良い」「早い」「安い」の3つがある。
品質は良い方が嬉しいし、納期は早い方が望ましい。もちろん、値段が安ければ言うことがない。
しかし、この3つの条件を全て満たす商品なりサービスを、特に中小企業が作るのは非常に難しい。
1つを犠牲にして、残り2つを選ぶのが関の山だろう。

トリレンマとは、ジレンマ(二つの選択肢で悩む)の選択肢が3つになったものだと考えてもらえればいい。

ある問題に対して2つの選択肢が存在し、そのどちらを選んでも何らかの不利益があり、態度を決めかねる状態。
選択肢が3つある場合にはトリレンマ(trilemma)と呼ぶ。
ー wikipedia 「ジレンマ」より

ジレンマ – Wikipedia

つまり、選択肢は以下の3つ。

  • 「良い」「早い」が、「高い」(安くない)
  • 「良い」「安い」が、「遅い」(早くない)
  • 「早い」「安い」が、「悪い」(良くない)

もちろん一つしか満たしていない商品やサービスもあるだろう。例えば「良い」けど「遅く」「高い」など。その商品・サービスは「良い」を維持したまま、「早く」もしくは「安く」する余地があるかもしれない。

ユニクロなどの大企業は、規模の力を使うことでこの3つの条件を全て満たすことができる。
しかし経営資源に乏しい中小企業で、大企業と同じ事をやるのは現実的ではないだろう。

時折、「良い」「早い」「安い」の全てを実現している中小企業を見かけることがあるけれど、内実を聞いてみると従業員か下請けに異常な無理を強いていることが多い。そのビジネスモデルは一時的には効果があるけれど、長く継続できないものだ。

さて、御社の商品・サービスは、この3つの条件の2つ、どれを選びますか?

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