情報時代における専門家の価値

パズルのラストピース

ネットで何でも検索できる時代における、「専門家の価値」とは何か、いつも自分に問うています。

経営に関する様々な課題と解決方法は、ネットを検索すればいくらでも無料で確認することができます。
ネットに不慣れな方、ネットの情報は信頼できないと思っている方も、少し大きめの本屋にいけば自分の問題意識に適したテーマの書籍が見つかるでしょう。千数百円も出せばその書籍を手に入れることができます。

情報が溢れる時代、ただ情報を知っているだけの専門家の価値は落ちる一方でしょう。
だって、ググれば(検索すれば)同じ事が書いてあるのだから。しかも無料。
限定された分野であれば、専門家よりもむしろ勉強熱心な経営者の方が詳しいケースすらあります。

情報へのアクセス自体が専門家の価値の源泉だった時代は、もう終わってしまいました。

情報「だけ」の問題点

ネットで検索するということはつまり「検索エンジンで上位にある情報を調べる」ことです。
それが自分にとって正しいのか、自分の今の状況にフィットしているのかは二の次です。
検索エンジンや書籍は、あなたの会社がおかれた個別具体的な状況は一切斟酌せずに「これが答えだ」と最大公約数か経験談、または極端な回答を提示します。

それが偶然「ハマる」ケースもあるでしょう。
しかしほとんどの場合、うまくいかない、もしくは何も変わらないといった結果を招きます。
成功者の真似をしてトイレを掃除したり早起きしたからといって、成功できるとは限らない。
成功者が成功の秘密を論理的に分析できているわけではない。因果関係を誤解していることもままあります。

情報が溢れる時代において、専門家の価値とは何か?情報を単に知っているだけでは価値たり得ません。少なくとも、それで報酬はいただけないでしょう。
もちろん情報通であることは大前提です。
その上で、顧客のおかれた状況やニーズを分析する力、解決策をもれなく列挙する能力、そしてその中から最適の一手を選択する力、こういったものが重要になってくるでしょう。

経営に同じ状況はひとつとしてありません。関係者が違えば、場所が違えば、時期が違えば、その状況は容易に変化します。
本やネットの「最大公約数」や「極論」「経験談(おれはこうして成功した)」では、状況にマッチする案を生み出すことはできない。

専門家の意義は、情報そのものではなく、多様な情報を踏まえて変化する状況に対応し最適な策を提案できる能力。
それを評価してもらって、お金をもらっているのだと考えています。

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