おみくじで大吉を引き当てる確率は?高橋昌一郎の新書「反オカルト論」で、面白い文章を見つけた。
吉凶の比率を調べてみると、平安時代に比叡山延暦寺の良源僧正が、おみくじ百本に対して「大吉十七、吉三十五、半吉五、小吉四、末小吉三、末吉六、凶三十」と定め、東京の浅草寺のおみくじは、今もその割合を忠実に継承しているそうです。(『女性セブン 2014年2月27日号』)
反オカルト論 高橋昌一郎著より
グラフにするとこうなる。
東京の浅草寺へのインタビューのようなので、他の神社もこの比率かどうかはわからない。思ったよりも大吉が多いな、あと凶多すぎでは?という感想だ。
この比率の出所が比叡山延暦寺という由緒ある寺社であることから、他の神社もこれと同程度ではないだろうか。
他の本によれば、神社のおみくじのほとんどはある神社の子会社が製造しているとのことで、いちいち寺社毎に比率を変えて出荷しないだろうし。
17%の大吉を引くよりも、3%の末小吉を引き当てる方がむしろラッキーな気がする。
企業経営では確率を見極める
おみくじの確率を気にするといささかしらけてしまうだろうが、こと企業経営となると「大吉(事業の大成功)を引いてうれしい!ラッキーだった!!」では困る。
成功の確率(大吉なら17%)を見極めて、事業をやるのかやらないのか、やるならどれだけの投資なら許容できるのかを判断するのが経営者の役割だ。
成功の確率なんてわからない、それがわかれば苦労はしない。
それはそうだ。
だからといってやみくもに突進しても得るものは無い。
その前に、成功・失敗の事例の収集、収益予測の分析、関係者へのヒアリング、できることは一杯あるはずだ。
それらの事前準備を行えば、成功の確率がざっくりとではあるが見えてくる。
一か八かでやるのはギャンブルであって、経営ではない。
祈りながらおみくじを引くような経営をしてはいけない。
成功の確率とコスト・リターンを常に考えよう。
余談ではあるがこの著者(高橋昌一郎)の「理性の限界」「感性の限界」「知性の限界」はここ数年の読書でもトップ10に入る「考えさせられて、ためになる」本だ。対話形式で異常といっていいくらい読みやすいし、お勧め。