(過去記事の続き)
ものの見方を考える①(視点・視野・視座) | (株)フロウシンク 中小企業診断士 米倉博彦
視点(鋭いか、鈍いか)
何かの事実(出来事、事象)が発生したとき、
解釈はその事実の「どの部部を見るか」、
すなわち、「視点」によって変わってくる。
たとえば、ある会社の従業員が少ない、というのは事実だ。
しかし、視点の当て方によって、
「小回りが効く」とメリットと捉えることもできるし、
「生産能力が低い」というデメリットを強調することもできる。
視点の良し悪しは、その見方が「鋭いか、鈍いか」で評価できる。
もちろん、皆が考えないような突拍子もないアイデアであれば何でも良い、という訳ではない。
その視点が有益なものかどうかの検討は必ず必要だ。
俗に言う「アイデアマン」は、独自かつ多数の視点を持っている人のことである。
視点といっても、自分の眼だけとは限らない。
自分以外の、対話の相手や第三者の視点から物事を見てみよう。
例えば、取引先の視点から交渉内容を検証することで、よりよい解決案が見えてくるのではないだろうか。
視野(狭いか、広いか)
視野は、「広いか、狭いか」で評価する。
もっとも視野の狭い人は、現時点での自分の利益しか考えることができない人だ。
過去ー現在ー未来(時間軸)まで視野に入れれば、
短期的な利益ではなく過去の経緯や将来予測まで含めて最適な判断ができる。
また、空間軸を視野に入れると、自分だけでなく自分の部署、会社全体、業界、日本国といった観点からも物事を検討することができる。
調整能力に優れている人は、この「視野を広く持つ」能力に優れている人のように思う。