「いいか、自分がコントロールできない事柄についてくよくよ考えたって、なんの益にもならないんだ」
ー ロバート・B・パーカー著「初秋」、主人公スペンサーのセリフ
何か問題が起きた時は、いつもこのセリフが頭に思い浮かぶ。
世の中はコントロールできないことだらけだ。
例えば他者の気持ち。肉親でさえ気持ちをコントロールすることは不可能だ。ましてや同僚や顧客の気持ちなんて。
こちらの発言や態度が意図通りに受け取られないことなんてしょっちゅうだし、それどころか思っても見なかったマイナスの解釈をされていることだってある(そして、それに長い間気づかないことも)。
世の中の出来事もほぼコントロールできない、政治も、経済も、国際関係も。
私は中小企業の社長をしているが、社内だって自分が自信を持ってコントロールできると言えることはごくわずかだ。
社員に命令はできるかもしれない、でも、コントロールはできない。
冒頭のセリフに戻るが、自分がコントロールできない事柄について悩むのは無益だ。
だって、コントロールできないのだから。
その時間は自分がコントロールできることをどうするか、それを考えることに充てた方が有益なのは間違いない。
当たり前だが、物事はコントロールできる、できないの2つにバッサリと分けられない。
この部分はできる、とか、30%はできるとか、さまざまだろう。
そこを見極めた上で、自分がコントロールできるポイントだけに集中する。
悩んで、悩み続けて、頭がおかしくなってしまう前に、一度立ち止まって考えたい。
「それをコントロールできるのか?」と。