スカラーとベクトル

「仕事ができる」とか「人格が優れている」というのは、
スカラーではなくベクトルだと思っている。

スカラーとは、量のみの値。
ベクトルとは、量と方向のある値を指す。

能力がスカラー値であれば、たとえば0から100までの点数を付けることができる。
仕事ができる(100点)の人は、どんな環境でも仕事のできる人ということになる。

一方、ベクトル値であれば、たとえ量が100点でも方向が違うことがある。
ある環境でどれだけ仕事ができたとしても、方向が逆であればその能力は別の環境ではまったく発揮できない。

過去にすばらしい実績を持つ人を雇用したとする。
スカラー値は確かに高そうだ。
でもベクトルで考えると、当社の環境にはまったく合わないことだってあり得る。
大企業で、フリーランスで活躍していたからといって、中小企業でも同様に活躍できるとは限らない。

ベクトルで考えた方が救いがあるとも思う。方向さえ変えれば、活躍するチャンスがあるからだ。
スカラー値で考えると、「ダメな奴は何をやってもダメ」となる。

自分がサラリーマンになって2年目の頃、同じ部署に後輩が配属された。
当時自分はJavaというプログラム言語を用い、生産管理システムの開発を行っていた。
後輩は残念ながらプログラムの適性がなく、自分で勉強をせず、理解もしないままネットに落ちているコードを模倣してその場をごまかす行為を繰り返し、若かった私は「こいつはダメだ」と見切りを付けて部署異動を具申、後輩は別の部署に異動となった。
後日風の噂で、彼はパソコンのセットアップ作業を行う部隊に配属され、楽しく活躍していると聞いた。
そう、彼にとって、プログラマーという職業はベクトルが違っていただけだったのだ。

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