「リスクゼロ」なら、それは効果がないということ

人間はリスクを嫌う。

行動心理学の実験からも明らかなように、人は損をするくらいならその行動を取らないことを選びがちだ。

「リスクゼロ」という言葉は、だから人の興味を引く。
リスクゼロでビジネスを成功させる・・・なんて魅力的な言葉だろう!
実際のところ、その正体は「話している人の知識不足」あるいは「明らかな詐欺」である。

仮にリスクゼロの取組みがあるとしよう。リスクゼロであればそれを知った皆がその行動をするだろう、なんたってリスクはゼロなのだから。
結果として、競争相手も同じ条件となり、ビジネスは成功しない。

リスクゼロを高らかにうたうその人は、難しい言葉を並べるだけで、深い思考ができないのかもかもしれない(考えれば、リスクゼロが困難であることがわかるはずだ)。もしくは、明確に相手を騙す意図を持って喋っているのかも。(例:私のコンサルを受ければあなたは必ず成功します!)

コントロールできるリスクなのか?

なにかのリターンが得たければ、リスクを取る。当たり前だ。
リスクを取りたくないのであれば、家に籠もっていれば良い。
#それでも運動不足等による健康の「リスク」は残るが・・・・・

大事なのは、リスクを取らないことではなく、「コントロールできるリスクなのか」を見極めることだ。

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一般的に、リスクへの対処としては上図のような「移転」「保有」「低減」「回避」の4つがある。
リスクの発生可能性と発生時の被害の大きさから、対処法は自ずときまってくる。

ゼロでも無限大でもないという当たり前の話

リスクゼロをうたう人は怪しいと書いたが、「がんがんリスクを取っていこう!」と挑発する人も同じくらい怪しい。
リスクを検討せずにとにかく行動する、というのは、無限大のリスクを取ることに他ならない。
ちょっと考えれば対処法が思いつくのに、なぜ敢えて危険を冒す必要があるのか?

リスクゼロはあり得ないし、逆に無限のリスクを取るのも愚かだろう。
きちんと考えて、リスクの程度を見極めてしかるべき対処をした上で行動する・・・こう書くと当たり前の話で面白くもなんともない。
でも、経営(もっと言えば人生)でもっとも重要なのは、つまらない、当たり前の話を着実に実行することだ。たくさんの経営者を見て来た経験から、本当にそう思う。

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