【例題】
リンダは31歳で独身、聡明で弁が立つ。
大学では哲学を専攻していた。
差別問題や社会正義に強い関心を持ち、週末は原発反対デモに参加する。
【質問】
リンダは下記の選択肢のどちらである可能性が高いか選べ。
1.リンダは銀行員。
2.リンダは銀行員で、フェミニストでもある。
【回答】
心理学の実験によると、「2」だと回答する人が多いそうだ。
しかし正解は「1」。
リンダが銀行員でかつフェミニスト「ではない」場合を考えてみればわかる。
また、紙に図を書いて考えると一目瞭然だ。
これは「リンダ問題」として有名なものだ。
人間は確率を考えるのが苦手であり、つい目立つキーワードや印象に引きずられてしまうことがわかる。
(専門的には「代表性ヒューリスティクス」と呼ばれている)
社員の採用、協力企業の選定・・あなたは、目立つキーワードに引きずられて、正しい判断をしていないかもしれない。
ビジネスに直観は大事だし、それを否定している訳ではない。
これは直観が「間違っている」例で、正しい直観ならそれは経営に取り入れるべきだ。(正しい直観とは?については、いずれ語る)
この話に頼らず、経営に関する意思決定を行う際、冷静に確率で考えてみることを忘れないようにしたい。