スタンプカード。
小売店の販促手法としては
いまではありふれたものになってしまった。
そんなありふれたものでも、
ちょっとした工夫が
効果を左右する。
あるコーヒーショップで、
スタンプカードを発行してもらったとする。
スタンプはコーヒー1杯につき一つ押してもらう。
全ての欄にスタンプを押せば、
コーヒー1杯が無料になるものだ。
さて、次の二種類のポイントカードがあったとする。
どちらがより効果があるだろうか?
種類 | 欄の数 | 最初に押してあるスタンプの数 |
ポイントカードA | 10個 | 0個 |
ポイントカードB | 12個 | 2個 |
「目標勾配」効果
答えはBだ。実はどちらのポイントカードでも、
無料のコーヒーを飲むまでには10杯のコーヒーを
飲む必要があるのは変わらない。
しかし、Bカードはすでに2つのスタンプが押されている。
つまり、ゼロからの開始ではなく、2/12 = 16.6%は既に
達成済みだと人は考えてしまう。
ゴールが近づくほど行動が早くなることは、
日常の体験から実感できると思う。
これを心理学では「目標勾配」効果という。
AでもBでも、お店側の負担は変わらない。
さらに欲張って、欄が15個あり既に5個が押されている
「ポイントカードC」を作れば、さらに効果が高まるかもしれない。
ちょっとした工夫でポイントカードの効果があがる、
それもコストはほぼゼロだ。やってみない手はない。