AI(人口知能)に人間が職を奪われる系の「危機感を煽る」記事を一時期よく見かけた。
この手の恐怖を煽る記事の方が雑誌が売れるしPVも稼げるのでしょうから、メディアの特性上仕方がないとは思う。
この問題を考える上で、参考にした書籍「ビッグデータと人工知能」西垣通 著
読了当時、自分が書いた書評より。
AIが人類を越える!系の楽観論に対する、研究者からの誠実な回答。
ネット系の、特に米国初の概念を検討する際には、それが「一神教」「アメリカ西海岸」「ヒッピー」といった背景から出ていることを考慮する必要がある。
そうすると、シンギュラリティの胡散臭さがよくわかる。超越者による世界平和を待望してるんだろうなあ・・・・と。
社会がそんなに単純だったらいいのにね。AIもビッグデータも過度に恐れる必要はない。生活がちょっと便利になるだけですよ。
ただ、それらができることと、(現時点では)できないことを見極め、有効に活用した方がいいだろう。新しい道具を使いこなした人間が生き残る、という基本的な枠組みは、石器時代から何も変わってない。
AIもしょせんは「道具」であり、石器や青銅器・鉄器、機械やインターネットと一緒。使いこなすべき対象であって、ラッダイト運動をしても仕方がない。
最も強いのは、人間+機械のチーム
さて、AIが人間を打ち負かしてから長い時間が経ったチェスで一番強いのは誰だろうか?機械?人間?違う。
最も強いのは、人間と機械からなるチームだ。
人間と機械が手を組み、それぞれで役割分担をし、良いプロセスのもとにゲームを進める。
機械のみよりも、人間だけよりも、このスタイル(フリースタイルチェスと呼ばれているそうだ)が最強。
これは何かを示唆していないだろうか?
AIを恐れるのではなく、ましてや敵視するのではなく、その限界を見極め、自身の仕事に活かす。
下手なAIよりも、老練な人間よりも、人間と機械の混成チームの方が、強いのだから。
良いチームを作ろう。
#スライドは2013年に開催したセミナーのものをそのまま流用。昔作った資料を引っ張り出すと、「あれ、本当にこれ自分で作ったんだっけ?」と不思議な気持ちになる。