人間は確率で物事を考えるのが苦手で、目立つエピソード(物語)にひきずられる。これは、皆そうらしい。
飛行機事故の確率は
たとえば、大きな飛行機事故があった後しばらくは、人は飛行機を避けるようになる。
変わりに長距離を車で移動するようになって、結果自動車事故が増える。
飛行機事故に遭う確率よりも自動車事故のそれの方がはるかに高いにも関わらず、
つい最近起きた飛行機事故というエピソードに引きずられて、間違った意思決定をしてしまう。
クレーマーの言うことを聞くべきか
企業の意思決定もそうだ。特定のクレーマーの意見を重用しすぎて、ほとんどの人が満足しているサービスを変更してしまう。
一部の社員が不正を働いたからと、全員の業務を遅滞させるような内部チェックの仕組みを導入してしまう。
確率で考えれば無視できるレベルの話なのに、エピソードのインパクトが意思決定を歪めてしまう。
新型コロナの「エピソード」
昨今の新型コロナ対策も同じだ。子どもや若者はほぼ死んでいない。確率的には無視していいレベルだ。
しかしゼロではない、もちろん重症化する人、残念ながら死亡する人が居る。そのエピソードはニュースになる。
そして本来必要ではない制限がどんどん追加されていく。
確率はどの程度?
なにか事件が起きたとき、考えるのは「この発生頻度はどれくらいか」だ。少ないならそれは特殊な事例ということで無視すべきだし、ある程度の割合なのであれば、どこかシステム(仕組み)に原因があるのだろう。人間はそもそもエピソードに引きずられやすい、という前提で思考していれば、落とし穴を回避しやすくなる。